金沢21世紀美術館 柿沼康二 書の道 “ぱーっ”
23日から金沢21世紀美術館で開催された、書家の柿沼康二氏の個展「柿沼康二 書の道 ゛ぱーっ゛」に行ってまいりました。
現代美術を収蔵する21美で、書の個展が開催されるのはこれが初めて。
「書はアートたるか、己はアーティストたるか」と自ら命題を掲げ突き進んできた柿沼氏。
もう書はアートだよね。もう柿沼康二はアーティストだよね。まぁ結構前から。僕をはじめそう思っている人は多いはず。
今回の個展。ぶったまげです。
今までも巨大な作品を創り続けてきた柿沼氏だが、今回の超巨大作品には度肝を抜かれた。
まさに「何してんねんおっさん!!」である。 信じられないのである。
呆然と出口に向かったが、ふと足を止め、もう一度初めから見直そうと、小さな作品が展示されている部屋に戻り、気がついた。
おんなじ!! 小さな作品だろうが、超巨大作品だろうが、そこから溢れてくるエネルギーは同じだと。もちろん超巨大作品は見る者を圧倒する力を持っている。しかし、それを見た後に見た小さな作品には、超巨大作品に感じる大宇宙が凝縮されており、逆に圧倒されてしまった。
なんだかホロホロの気分で再度辿り着いた超巨大作品部屋。
部屋に入るや否や僕は一言つぶやいた。
「おっさん。。。馬鹿。」
2周すること。3周もあり。(ただし目眩あり(笑))
お互い血気盛んな20代。ニューヨークで出会い、まだまだ気心知れぬ仲のまま、氏の個展のサポートをした。
全身全霊を懸けて作品創りに打ち込む姿に魅せられた。涙を流し、血反吐を吐き、気を失ってしまう貴方は一体何者?
と畏怖の念を抱いた。それから20年近い時間が過ぎた今もなお、「何してんねんおっさん!!」と叫ばずにはいられない。